トランス

MtFの就職事情

MtFの就職事情

ここではMtFの就職事情について見ていきます。

目次

  • 1 男性として入社
  •  1-1 メリット
  •   1-1-1 正規雇用が可能
  •  1-2 デメリット
  •   1-2-1 性別違和の苦痛
  •   1-2-2 カミングアウトが必要
  •   1-2-3 SRSの休暇取得等の問題
  •   1-2-4 埋没でないことの苦しみ
  • 2 MtFとして女性で入社
  •  2-1 メリット
  •   2-1-1 正規雇用が可能
  •   2-1-2 半埋没が可能
  •   2-2 デメリット
  •   2-2-1 高いパス度が必要
  •   2-2-2 採用は稀
  •   2-2-3 カミングアウトの時期
  •   2-2-4 採用後の元の性別の秘匿
  •   2-2-5 アウティングの危険性
  •   2-2-6 SRSの休暇取得等の問題
  • 3 女性として(偽って)入社
  •  3-1 メリット
  •   3-1-1 完全埋没が可能
  •   3-1-2 カミングアウトが不要
  •  3-2 デメリット
  •   3-2-1 非正規雇用に限られる
  •   3-2-2 低い給与
  •   3-2-3 マイナンバー
  •   3-2-4 高いパス度が必要
  •   3-2-5 事前に改名が必要
  •   3-2-6 バレる=退職
  •   3-2-7 SRS=退職
  • 4 戸籍変更後の入社
  •  4-1 注意点
  •   4-1-1 雇用保険被保険者証 
  •   4-1-2 年金手帳再発行
  • 5 夜のお仕事・性風俗等
  • 6 起業等
  •  6-1 YouTube
  •  6ー2 ブログ
  •  6ー3 起業
  • 7 現実
  •  7-1 離職トランス
  •  7-2 男性と婚姻
  • 8 理想
  • 9 在職トランスにオススメの職業
  • 10 まとめ


a01

男性として入社(正規雇用)

まず戸籍の性別に従って「男性として入社」するケースです。性別違和があることは言わないし今後トランスすることも伏せていることを前提とします。てか、そんなこと言ったら採用されませんしね。入社後性別違和を感じたMtF当事者はこのケースに当てはまるでしょう。私もこれです

a1-1

1-1 メリット

a1-1-1

1-1-1 正規雇用が可能

戸籍が男性で、男性として就職するのですがから何も就活においてはビハインド部分がありません。正々堂々と就活し、正規雇用を勝ち取ることができます。もちろん今の世の中大変な不況なので正規雇用自体が縮小し職を得ることが困難になってはいますが、それでも可能は可能です。

雇用主は当然にあなたを男性として採用します。

a1-2

1-2 デメリット

a1-2-1

1-2-1 性別違和の苦痛

男性として働くわけですので男性たる姿をしていなければなりません。代表的なのが短髪にスーツですね。メンズスーツでワイシャツを着て、ちゃんとネクタイを着用します。髪は清潔感を保つため短髪にし、メイクは不可です。

使用するトイレももちろん男性用。更衣室など存在もしてないことでしょう。各種書類の性別欄も「男」に丸をし、男性名を名乗らなければなりません。同僚や上司からも男性として認知されています。

これはMtF当事者にはかなりツラい状況です。男性の象徴たるメンズスーツを着て名前も男性名、トイレもそう。最初は我慢できてもこのダメージはボディーブローのように徐々に効いてきます。心的ストレスは蓄積されるばかりでいつ限界がくるかも分からない状況に陥ることでしょう。かたや同じ職場の女性職員は当たり前に女性として振るまい女性施設を使用しています。女性らしい身体、スーツの必要もないオフィスカジュアル、綺麗なメイク、サラサラの長い髪、当然に使用する女性用トイレ、これらのことを目の当たりにすると徐々にそれに対して羨み、嫉妬、または絶望を覚えるようになります。

ストレスに苛まれた身体はやがて抑うつ状態となりそれが悪化するとうつ病となり出社することすら困難になることもありますはいはーい、私でーす。おかしくなった私は自傷行為(アムカ、瀉血、薬物依存、アルコール依存、摂食障害)を繰り返しうつ病およびアルコール依存症と診断され自殺企図(自殺未遂)を何度も繰り返し、その結果会社を休んで精神病院に入院することになりました。一時期トップ選抜で本社にまで上り詰めた私のキャリアもこれで台無しです。おしまい。

覚えてるなぁ。重い身体を引きずり無理矢理出社したあの日、降りるはずの駅(都内)で私は降りることができなかったのです。身体が動きませんでした。そのまま電車に乗り続け、横浜まで行ったかな。会社に向かう他のサラリーマンの波を他人事のようにボーッとしばらく眺めたあと、ふらふらと横浜の馬車道を歩いていました。するとひとりのおばさんに声を掛けられました。「あの、大丈夫ですか?」って。知らない人にですよ?それほど目に見えて異常だったのでしょう。私は「え?あ、はい、大丈夫です」と答えました。大丈夫じゃないですけどね。きっと死んだ魚の目をしてたんでしょうね。会社に電話した私は「あのぅ、行けないんです…行けないんですよ」と言いました。虚偽の理由など考える余裕すらありませんでした。

このように、MtFにとって男性として就業することは大変困難なことと言えます。

a1-2-2

1-2-2 カミングアウトが必要

さてさて、このままでは死んでしまいます。女性化・トランスしなくてなりません。そのためには会社側に自身の性別違和、GIDであることをカミングアウトしてそれ相応の配慮を求める必要があります

    1. スーツの非着用(ノーネクタイ)
    2. 長髪の許可
    3. メイクの許可
    4. 通称名の使用

などを求めます。4は無理だとしても1〜3はトランスするに当たり必須でしょう。そうでなければフルタイムRLEができません。せめて髪を伸ばしメイクをし、女性の格好で働くことの許可を得る必要があります。

私は休職中にカミングアウト、その後ジェンダークリニックに通い診断書を取得したところで上記処遇を会社側に要求しました。幸いに4以外は認められました。よってそれから私は髪を伸ばしはじめスーツから脱却し、徐々に女性としての自分を出していきました。でもいきなり全部を女性とするわけにはいかず、まずはノーネクタイから始め、シレッとスーツをメンズからレディースに変え、インナーもワイシャツからブラウスにし、シューズもメンズからパンプスにして、少しずつ以降していった感じです。トイレは多目的トイレを使用していました。

そして改名・SRS後、私は会社側にさらに女性としての処遇を求めます。

    • 女子トイレ、女子更衣室の使用
    • 健康診断も女性枠
    • アウティングの禁止
    • 一般職員へのカミングアウトなし
    • 書類の性別も女性

以上のことを求めました。つまり完全なる女性扱いです。私には未成年の子がいるため特例法の要件を満たすことができず戸籍の性別をまだ変更できていません。なので戸籍上はまだ男性です。しかしそれでも私は上記を会社に求めたのです。拒否されれば法廷に出る覚悟でいきました。が、なんと会社はこちらの要望をすべて許可してくれました。これには驚きましたね。正直あっけにとられました。おそらくですが、診断書取得からカミングアウトし、徐々に女性化、そして改名、SRSとちゃんと道筋を立て道理から外れることなく在職中のトランスを慎重に少しずつ進めていった結果だと思います。

最初にジェンダークリニックに行ったときの医師との会話を思い出します。

当時戦闘モードだった私

私「診断書をください。それで会社を殴ります」

はりま医師「それではダメだよ。ちゃんと筋を通さないと」

私「す、筋…?(゚Д゚)」

はりま医師「そう、筋。乱暴なことをしても反感を買うだけだよ」

うん、その通りだなぁと思います。診断書取得時にいきなりすべてを女性扱い(女子トイレなどの使用)をも求めていたらおそらく蹴られていたことでしょう。物事には順序というものがあります。それを守り、戦うのではなく協調して理解を得られるように進めていくのが在職トランスにおいては重要だと思います。もちろん最初の段階で会社がNOと断固として認めてくれないのであれば、残念ながらトランスは進めることができないので退職するしか道はありません

女性処遇を求めたときの手帳

カミングアウトしないことの理由

a1-2-3

1-2-3 SRS休暇取得等の問題

トランスするにはSRS(性別適合手術)が必要になるでしょう。多くの場合はタイで、かつ造膣ありを選ばれる方が多いと思います。その場合最低でも1ヶ月、できれば3ヶ月の静養を取ることが必要です。

さて、この休暇の取得が可能でしょうか。多くの中小企業は資金繰りがカツカツです。翌月の仕入れ等の支払いですらギリギリの状態が多いです。その中で従業員に長い休暇を与える余裕がある企業がどれだけあるでしょうか。

また、仮に休暇が取れたと仮定しても、その間の給与はどうでしょうか。おそらくほとんどの企業が無給でしょう。GID当事者はSRS費用に加え、この静養期間の1〜3ヶ月の生活費の貯蓄も必要となります。

ほとんどの企業はこの長期休暇は一蹴されることでしょう。それでも強く要望するようなら解雇となります。雇用主はあなたを切り、新たに使える人員を採用するはずです。だって人員にも資金にも余裕がないのが現実ですから。

これらの問題から国内での膣なしオペを仕方なく受ける当事者もいます。これだとダウンタイム(患部の治癒にかかる期間)も短く、要する休暇も最短で済むからです。1〜2週間の休暇でSRSを決行して強行復帰する、そんな当事者も多いです。悲しいかな生きていくためには職が必要ですもんね。簡単に辞めるわけにはいきません…。

a1-2-4

1-2-4 埋没出来ないことの苦しみ

さて、運良く私のように休暇も取れSRSができ、かつ女性処遇が認められても埋没が困難です。不可能ではありませんが、非常に難しいです。なんせ男性として入社・就業していたわけですから、会社の人間はあなたの元の性別を知る人がたくさんいます。そういう人はあなたがいくら女性化したところで「女に見える男」と色眼鏡で見ることでしょう。つまり埋没(周囲に元の性別を知られることなく女性として生活すること)ができないのです。

これは何気にキツいです。「どうせ男だと思われている」「配慮パスでしかない」と当事者は考え苦しみます。私もそうでした。周囲も大人です。大人の対応をしてくれているにすぎない、そう考えてしまうのです。これは一種の呪縛のように自身を闇に包み込み、悪くすると結局また精神的に不安定に陥ります。踏ん張りどころです。ここを踏ん張って脱却する必要があります

大変苦しいでしょう。しかし人間の意識は変えることができます。あなたが女性として振る舞い、その容姿をして、普通に勤務を続けていれば、いずれは「男性としてのあなた」は過去のものとなり、周囲の人の記憶からも消えていくことでしょう。時間はかかりますが、そうして少しずつ溶け込むことは可能です。つまり私は在職トランスでも埋没は可能と考えています。

a02

MtFとして女性で入社(正規雇用)

性別違和を持つMtFであることをあらかじめカミングアウトしての入社です。自分のあるべき姿・内情を包み隠さずオープンにし、理解を得た上での扱いになります。非常に理想的な形でしょう。

 

無料版はここまで!

この先をお読みになりたい場合有料版をご購入ください。有料版を購入していただくとこの記事だけでなく、当サイトのすべての記事が読み放題となります。

ご購入はこちら!

 

 

Copyright© MtF情報発信サイト【サブドメイン】 , 2025 All Rights Reserved.