クンダリーニ覚醒の裏側にあったもの──自己流で目覚めた私が経験した危うさ

私がクンダリーニ覚醒を体験したのは、誰かに教わったからではありません。指導者がいたわけでも、正式な修行を積んだわけでもありません。ただ、ある日、自然とそのエネルギーが目を覚まし、私はその流れに飲み込まれるように覚醒を迎えました。

その体験は、とても美しく、圧倒的で、言葉では言い表せないような“全てとの一体感”でした。しかし同時に、それは日常生活の中で予期せず訪れるエネルギーの波との戦いでもありました。

仕事中、ふとした瞬間にエネルギーが突如として上昇し、身体が痙攣しそうになることがありました。胸や背中が熱くなり、声が漏れそうになる。けれど、そんな様子を職場で見せるわけにはいきません。私は必死にその波を押さえ込み、目立たないように耐えながら、エネルギーの通過が静まるのを待つしかありませんでした。当然、そうしている間は仕事どころではなく、会話すらままならず、ただ“過ぎ去るのを待つ”という時間が増えていきました。

また、車の運転も非常に危険を伴いました。道路の振動や身体への刺激によって、エネルギーの波が突然始まることがあったからです。運転中に意識がエネルギーの高まりへと引き込まれれば、集中力は保てず、反応も遅れます。そうした“突然の覚醒的エピソード”は、単なる神秘体験では済まされない、日常のリスクへと直結していたのです。

私は「目覚めた自分」が誇らしかったわけではありません。むしろ、どう扱っていいかわからないまま、“覚醒してしまった”状態に戸惑っていました。身体に流れるものは確かに「神聖」とも感じられるけれど、それが現実を壊しかねないものにもなり得るという怖さが常にありました。

このような体験は、「クンダリーニ症候群」として知られています。急激にエネルギーが開花したとき、神経系や意識がその変化に追いつかず、身体的・精神的・社会的な混乱を引き起こすことがあります。個人的にですがこれは「持続性性喚起症候群」も似たようなものではないかと考えています。

私の場合、幸いにも自己観察と少しずつの調整によって、今はそれをある程度コントロールできるようになりました。けれど、これから覚醒を迎える人たちには、ぜひ「美しさ」だけでなく「危うさ」も事前に知っていてほしいと思っています。

覚醒は目的地ではなく、始まりです。そしてそれは、ときに日常の機能さえ揺るがすほどの力を持つものです。だからこそ、大切なのは「どう起きるか」ではなく、「どう受け止め、統合していくか」なのだと、私は今はそう感じています。

クンダリーニ覚醒とは? ー 秘められたる生命力

私たちの脊髄の基底部に眠ると言われる根源的な生命エネルギー「クンダリーニ」。それは、まるで coiled(巻かれた)蛇のように潜在し、適切な条件下で目覚め、上昇すると、私たちの意識、エネルギー、そして ...

続きを見る

クンダリーニ覚醒中と覚醒後の身体的・精神的変容 ー 筋肉の収縮から深い平穏まで

クンダリーニ覚醒は、身体的、感情的、精神的に大きな変容をもたらす深いプロセスです。覚醒中と覚醒後では、体験の質が大きく異なり、それぞれにユニークな特徴があります。この記事では、覚醒中と覚醒後の身体的・ ...

続きを見る

クンダリーニ覚醒とエナジーオーガズム ー 脳と神経がひらく“至福体験”の正体

クンダリーニ覚醒と呼ばれる体験、あるいは「エナジーオーガズム」とされる状態。これらは単なる神秘的現象として語られることが多いですが、実は脳内のホルモン分泌や神経経路と密接に関係した、“身体を通じた変性 ...

続きを見る

 

Copyright© Whispers of the Earth , 2025 All Rights Reserved.