トランス

ジェンダー論

ジェンダー論

ここではジェンダーについて見ていきます。

目次

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ジェンダーの発祥

さて、一言でジェンダーと言ってもその流れは古いところから始まります。

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1-1 歴史的に見るジェンダー論

ジェンダーはそもそもフェミニズムの思想から発展したものです。英語のfeminismはラテン語のfeminaから派生した語で、もともとは単に「女性の特性」を意味しているものです。それが1960年代アメリカにおける「女性解放運動」を始め女性の権利回復を求める声が広がり、それに伴い「フェミニズム」にもそのような「女性の解放」という意味合いを含むものとなっていきました

そして1970年代にフェミニズムによって「セックス(性差)(越えられない壁)」と区別する用語として「ジェンダー(社会的文化的性別)(変えられるもの)」という言葉を生み出したのです。これが歴史的に見るジェンダーの誕生です。

ポイント

ジェンダー = 女性の権利回復を求めるフェミニズムが起源

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1ー2 ジェンダーの種類

ジェンダーには以下のような用法があります。

  • 言語学における文法上の性のこと。
  • 生物一般における生物学的性のこと。雌雄の別。
  • 医学・心理学・性科学の分野における「性の自己意識・自己認知」のこと。性同一性。
  • 社会科学の分野において、生物学的性に対する、「社会的・文化的に形成された性」のこと。男性性・女性性、男らしさ・女らしさ。
  • 社会学者のイヴァン・イリイチの用語で、男女が相互に補完的分業をする本来的な人間関係のあり方。イリイチはその喪失を批判している。
  • 電子工学・電気工学の分野におけるコネクターの嵌め合い形状(オスとメス)の区別のこと。プラグとジャック、雄ネジと雌ネジなど。

引用:Wikipedia

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1ー3 この記事で取り扱うジェンダー

上記ジェンダーのうち、この記事では社会科学の分野において生物学的性に対する「社会的・文化的に形成された性」、男らしさ・女らしさについて見ていきたいと思います。まぁ普通ジェンダーといったらこれを連想しますよね。

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ジェンダー意識の変化に見る「女らしさとは」

さて、では「女らしさ」とはどのようなものなのでしょうか。昔ながらの「古典的ジェンダー」現在の「近代的ジェンダー」を比較しながら、また、それぞれ「社会文化的ジェンダー」「規範的ジェンダー」「イメージ的ジェンダー」に区分けして見ていきます。

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2-1 古典的ジェンダーの女らしさ(昔)

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2-1-1 社会文化的ジェンダー

女は家庭
以前の女性は家庭を守るものと捉えられていました。子を産み育て、子孫を残していくという役割です。女性は通常結婚すると専業主婦になり、家事育児全般を請け負うのが多数派でした。

男を立てる
男尊女卑が世論を占めていた頃は女性は男性よりも格下に位置づけられ、自信ではなく男性を立てるものと考えられてきました。男性の立場やプライドを傷つけないようにフォローし男性の自尊心を高めることが求められます。

学問は二の次
以上のように女性は家庭に入り家庭を守り男性を支えるものとされていたので、そのためには学問など必要ないという考えです。女性の大学進学率は以前は低いものでした。例えば現在は女子大学というものがありますが、あれは女性にも男性と同等に学問を受ける権利を主張する立場から創設されたものです。女子大というのはそのような女性の権利回復の名残なのです。

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2-1-2 規範的ジェンダー

優しい
女は優しくあるべき。

おしとやか
女はおしとやかであるべき。

清潔
女は清潔であるべき。

細やか
女は細やかであるべき。

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2-1-3 イメージ的ジェンダー

おままごと
女の子はおままごとが好き。

お人形
女の子はお人形を好む。

ピンク
ピンクは女の子の色。

長い髪
女の子は長い髪。

メイク
女性はメイクをするもの。

スカート
女性はスカートを穿くもの。

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2-2 近代的ジェンダーの女らしさ(今)

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2-2-1 社会文化的ジェンダー

女性の社会進出等の促進(新規)
これまで家庭に収まるとしてきた女性に対し、その本来の権利を回復させるため政府により様々な政策がなされました。女性の積極的な管理職登用、バリキャリなどが産まれます。
・1985年:雇用機会均等法
・1995年:育児・介護休業法(男女同等の家庭的責任と権利)
・1999年:男女共同参画社会基本法
・2001年:DV防止法

男と同等の権利の取得(新規)
上記のような女性の権利を守る施策が制定されると同じく、女性の人権にも重きが置かれます。女性への差別を禁止し、女性だからと言って不利益な扱いをすることは違法とされました。これまでの男尊女卑がひっくり返り女尊男卑となります。

大学進学率の増加(新規)
社会進出の促進に合わせて大学進学率も当然に増加していきます。いい企業の内定を勝ち取るにはやはり学歴は重視されますものね。下のグラフを見てください。爆上がりですよね。今や女性も大学に進学するのは当たり前となっています。

引用:ハイフラック進学

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2-2-2 規範的ジェンダー

優しい(不変)
昔と同じ。

おしとやか(不変)
昔と同じ。

清潔(不変)
昔と同じ。

細やか(不変)
昔と同じ。

強い(新規)
強い女、かっこいい。

たくましい(新規)
たくましい女もいいじゃない。

リーダーシップ(新規)
リーダーシップがとれる女、いいねぇ。

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2-2-3 イメージ的ジェンダー

おままごと(不変)
昔と同じ。

お人形(不変)
昔と同じ。

ブルー(新規)
青が好きな女の子だっていいじゃないという変化の発生。

長い髪(不変)
昔と同じ。

メイク(不変)
昔と同じ。

スカート(不変)
昔と同じ。

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ジェンダー意識の変化に見る「男らしさとは」

さて、では男らしさとは何でしょうか。これも同じように見ていきます。

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3-1 古典的ジェンダーの男らしさ(昔)

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3-1-1 社会文化的ジェンダー

男は仕事
男は働いてなんぼです。

大黒柱
男は一家の大黒柱としての責務を負います。また家父長制として主となります。

男は大学へ行くべき
いい企業に入るため大学進学が通常です。

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3-1-2 規範的ジェンダー

泣かない
男は涙を見せてはいけません。

たくましい
男はたくましくあるべきです。

リーダーシップ
男にはリーダーシップが求められます。

強い
男は強くあるべきです。

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3-1-3 イメージ的ジェンダー

探検
男の子は探検が好き。

ロボット
男の子はロボットや車・電車が好き。

ブルー
男の子といえば青。

短い髪
男は短髪であるべき。

ズボン
男はズボン一択。

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3-2 近代的ジェンダーの男らしさ(今)

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3-2-1 社会文化的ジェンダー

男は仕事(不変)
昔と同じ。

大黒柱(不変)
昔と同じ。

男は大学へ行くべき(不変)
昔と同じ。

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3-2-2 規範的ジェンダー

泣かない(不変)
昔と同じ。

たくましい(不変)
昔と同じ。

リーダーシップ(不変)
昔と同じ。

強い(不変)
昔と同じ。

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3-2-3 イメージ的ジェンダー

探検(不変)
昔と同じ。

ロボット(不変)
昔と同じ。

ブルー(不変)
昔と同じ。

短い髪(不変)
昔と同じ。

ズボン(不変)
昔と同じ。

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以上より見るジェンダー意識の本質

さて、以上から見えてくるジェンダーの本質とは何でしょうか。昔と今と比べて変わった部分に(新規)、変わらない部分に(不変)と書きましたが、男女両者のそれらを見比べてどうです?そう、

 

 

女性には(新規)が増えているのに対し、

男性はすべてにおいて(不変)なのです。

 

これは歴史的ジェンダー論でも説明したように、そもそも「ジェンダーに内包される意味」は単に性別的役割という意味を超えてフェミニズムによる「女性の権利回復・解放、男性と同等な社会の創設」であり、さらに言えば同等を超えて「女性らしさに男性の権力をプラス」した二階建式権力の取得、ひいては男性の弱体化を招いたものと言えるのです。

↑こういうイメージ。女性が強くなった。

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ジェンダー意識変化の効果

さて、ジェンダー論とはつまり女性の強化であることが分かりました。では、それによって現代はどのような効果がもたらされたのでしょうか。

 

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